サハリン州追悼式実施

平成29年6月30日
 於「樺太・千島戦没者慰霊碑」



日本政府建立 樺太・千島戦没者慰霊碑



供花 内閣総理大臣

供花 総務大臣

献花 在ユジノサハリンスク総領事

法要 阿含宗僧侶団


総理大臣
ごあいさつ

先の大戦終結後七十二年になります。ここサハリンにおいて追悼式及び慰霊祭が挙行されますことは大変意義深いことと思います。
戦争を起因として多数の日本・サハリン両国の将兵並びに民間の人々が犠牲となら
れたことは、今なお心痛に堪えません。
戦時にあって、兵士や民間人一人ひとりが将来を語り、親族、友人の安寧を願いながら
散華されたことに想いを馳せ言葉を失います。戦争の惨禍を繰り返すことなく自由
で民主的な国を創り、不戦の誓いを新たにしています。
日本・サハリン両国民は、苦難の道を乗り越え友好関係を築き、現在の繁栄を築いて
こられましたことに敬意を表します。
年月は時を刻みますが、戦争犠牲者の思いを後々の世代に語り継ぎ、より豊かな交
友関係の構築を望み、平和を願う本日の追悼式、慰霊祭の実施にご出席賜りました
皆様方に感謝し、ご挨拶と致します。


                                                              平成29年6月30日
                                                              内閣総理大臣 安倍 晋三













追悼式・慰霊祭 実施


平成16年、厚生省委託事業として海外民間建立慰霊碑の実態調査を行った際、開戦時最初の激戦地となったこの地・ポペジーノ市(邦名・古屯)ハルマ峠付近に平成8年11月1日ロシア連邦政府、日本遺族財団法人会、サハリン州政府スミヌイフ地区の協力のもと建立され、日本語、ロシア語併記で「さきの大戦において樺太及び千島地域並びにその周辺海域で犠牲となった全ての人々を偲び平和への思いをこめてこの碑を建立する」と記載された碑銘「樺太・千島戦没者慰霊碑」を訪れ、追悼式、慰霊祭の実施を望んでいた。ロシア共和国ではハバロフスク市に「シベリア平和慰霊公苑」を施設し、天皇皇后両陛下、高松宮、三笠宮、竹田宮生花ご下賜のもと多数の国会議員、政府関係者、地元政府要人とともに遺族団、戦友会、法要団多数が参加された追悼式、慰霊祭を挙行して以来の式典であり、本会代表理事が会式の辞を述べ、参加者一同国歌斉唱、黙祷を奉じ、内閣総理大臣のご挨拶が代読された。在ユジノサハリンスク日本総領事館から平野隆一総領事、足立憲泰領事が参席され、献花された。栃木県護國神社・稲寿宮司による神事による追悼式が実施され、阿含宗僧侶団の厳粛な慰霊祭が挙行された。

戦後72年を経過した今日、サハリン、日本両国民の相互扶助が育くまれており、
更なる友好関係の発展のため戦没犠牲者のご加護を願うこの有意義な式典は、
サハリン住民の共感を得られたものと信じる。戦前北緯50度線以南を樺太とし40万人が居住したが、
邦名・真岡では電話交換台があったため女子交換手の悲劇、民間人疎開船三隻のソ連軍潜水艦による
撃沈等不忘の体験が平和構築の努力を求められている。

この追悼式、慰霊祭にご参加賜ったすべての方々、慰霊祭をご担当願った阿含宗僧侶団及び
北方洋上慰霊団500名の方々の法要ご参加に深く感謝する。


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